『カムカムエヴリバディ』を観ていましたか?
脚本家の藤本有紀さんは2007年連続テレビ
小説『ちりとてちん』を手掛けた方でした。
繰り返して観たくなるほど、面白い作品だった
ので、今回もとても期待して観ていました。
大正時代から令和に至るまでの100年間を母
娘、そして孫の3世代に渉り、ラジオ英語講座
を軸にして展開されていくストーリーは、流石
だなぁと感心しました。
しかもジャズ、時代劇、野球というばらばらな
シーンを3世代のヒロインに共通の『英語』と
いう『つなぎ』を織り交ぜて、サッチモ、ハリ
ウッド、侍ベースボールの1本のストーリーに
束ねていく奇想天外な面白さでした。
『ちりとてちん』でも韻を踏むというか、伏線
を示すシーンが観られたのですが『カムカム』
でも藤本さんらしさが表れていました。
例えば、安子の夫の雉真稔の『英語の辞書』は
娘のるいから孫のひなたまで受け継がれ、再び
年老いた安子が手に取るシーンや、ひなたが幼
い頃、英語で話しかけられなかった初恋の相手
ビリーが、ラジオ英語講座のパートナーだった
ことに気づいて、その後の2人を予感させるシ
ーンなど、物語がそこで途切れたと思わせてお
いて、しっかり繋がっているところが、感動を
誘います。
今回も数々の名場面、感動のシーンがありまし
たね。夫の戦死を知った安子の悲しみのシーン
や、前髪を上げて額のキズを見せようとする、
るいを黙って抱きかかえる錠一郞の優しさや、
映画村での女優の世話に疲れ果てて帰るひなた
を待っていた、文四郎の不器用な告白のシーン
などは、ぐっときました。
惜しかったのは雉真勇役を演じた目黒祐樹さん
雪衣役の多岐川裕美さんの演技が、若い頃を演
じた谷川生馬さん、岡田結美さんから受けた人
物像と今ひとつ繋がりが感じられず、少し取っ
てつけたような印象を受けました。
後半の深まるドラマを途中から引き継いで演技
することって難しいのだろうと、素人ながらに
思いました。
最週話はめまぐるしく登場人物のその後を短く
まとめていましたね。藤本さんはもう少し詳し
くふれたかったのではないかと思いました。
逆に、年老いたアニー役を演じた森山良子さん
が、ブーツ姿で岡山の街を走り続けたシーンを
1話15分も続けたのは、バランスが悪かった
のでは?と思いますけどね😁
本日は、この辺で。