父の誕生祝いに『気動車の運転体験コース』を!

長年つちかわれた手の感覚は忘れないもの!

 

今日は父の誕生日、86歳を迎えました。

父は、国鉄機関士として蒸気機関車を運転して

いました。

SLが廃止されてからは、ディーゼル機関車

ディーゼル気動車を運転しました。

私は父の乗務するディーゼル気動車に2度乗る

ことができました。

父の運転は、発車時も停車時もスムーズで上手

かったと記憶しています。





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昨年、ドライブをしていて、立ち寄った道の駅

ディーゼル気動車の運転体験コースがあって

駅構内の500m区間を運転することができる

というのです。

これはいいと、父の誕生祝いに運転させようと

思い立ちました。

父に内緒で予約して、当日である昨日の朝、父

に告げると驚いていましたが、早速行く準備を

始めていました。

 

道の駅までは、車で4時間半かかりました。

受付けを済ませて、駅のベンチに座っていると

機関士の制服姿の男性が声を掛けてきました。

その方が教官で、父よりも10歳若く、定年を

迎えるまで国鉄、JRの機関士として働いてい

たそうです。

 

気動車に乗り込み、80分間の体験コースが始

まりました。本来ならば、運転の仕方を詳しく

教えてから運転となるのですが、元機関士の父

に教える必要はないと、気動車の日常点検だけ

をさっと済ませて、早速運転を始めることにな

りました。

 

運転台に座った父は、落ち着いていて、指差し

確認後、警笛を鳴らして、ノッチを上げて加速

していきました。

駅構内の2か所の横断道に、旗を持って立って

いる女性の手前で停車して、そこから発車して

次の横断道で停車、再び発車して、駅構内の端

まで行くと、後ろの運転台まで歩いて行って、

逆方向に向かうのです。

これを駅構内の500mの間を行ったり来たり

繰り返すのです。

 

はじめのうちは、ブレーキの利きが甘いらしく

少しだけ停車位置がずれることがありましたが

慣れてくると、所定の位置にぴったりと停まる

のです。

長年つちかわれた手の感覚は、忘れないものな

のでしょうね。

教官は、手をたたいて『すばらしい、こっちが

教えてもらわないといけない』と何度も褒めて

いました。

何往復したのかも判らなくなるほど、父は運転

し続け、ポイントの手動切替も体験させてもら

えました。

体験が終わり、父が教官に何度もお礼を云うと

教官は『大先輩に楽させてもらった』と褒めて

いました。

 

帰りの車中で父は『自分だけいい想いをさせて

もらったなぁ』…とすまなそうでした。

 

今朝庭の水やりをしていると、父が寄ってきて

『昨日はありがとう』と喜んでいました。

 

父の来年の誕生日には、米寿のお祝いに、孫達

に声をかけて、バンガロー付きのキャンプ場を

探して、若者はテント泊を老夫婦はバンガロー

に泊まってBBQをしようかと、今から企んで

いるのです…😀

 

            本日は、この辺で。