『電車』降りて、それぞれ向かうは『人生の岐路』
趣味の『ガーデニング』や、『動画編集』が、
一段落し、読書をしたくなったので、図書館で
本を借りてきました。
2ヶ月前に、Instagramで紹介されていた数冊
の中から、『阿川大樹』さんの『終電の神様』
を選んでみました。
いずれも『通勤電車』に纏わる7つの短編の話
でした。ネタバレしちゃいますが、その中から
3編を紹介しますと…。
恋人の競輪選手が、大腿筋を痛めたので、療養
を勧めたが、筋力低下してしまうと拒ばれる。
衰えていく彼の姿を観るに忍びず、別れの手紙
を投函した夜、緊急停止の電車の中で待たされ
逢いたいが、逢うのがツラい女性の葛藤の話。
小料理屋で話した男性は、両親の床屋の常連で
両親の接客の仕方や、技術を褒められた。
末期がんの父の容体が急変し、向かう電車が、
緊急停止して焦ったが、死に目に間に合って、
褒められたこと、床屋を継ぐ決心を告げると、
父は、最後の力で鋏を握りながら旅立った話。
妊娠を知った日、ホームから転落。命を救って
くれた男性の手掛りは、放った声と、スカート
を履いていたこと。キオスクで25年働き続け
閉店2日前になって、探し続けていた男性に、
再会できた話。
この3編が、とくに面白くて、感動しました。
『終電の神様』というタイトルは、何を表して
いるのでしょうね?
電車の神様がいたから、恋人に想いが通じて、
恩人に出逢えて、肉親の往生に花を添えられた
ということでしょうか? 心温まる話でした。
これまで、病院は『人生の縮図』だなと思った
ことがありましたが、電車の中に、居合わせた
人々にも、いろいろな事情や、想いがあって、
降りて向かう、それぞれの道は『人生の岐路』
のように思えました。
本日は、この辺で。