『本来の自分』を見失う『脆さ』を戒める!
『ミヒャエルエンデ』作『はてしない物語』を
読みました。
ネタバレしますが、少し紹介しますと…
主人公の『バスチアン』は、本が好きな少年。
母を亡くし、悲しみのあまり無口になった父と
2人暮らし。
太って鈍そうなため、いじめに遭って、学校を
サボって入った古本屋で、『はてしない物語』
という本を盗んで、学校の物置き部屋で、読み
始めます。
物語は、ファンタ—ジェン国の女王『幼ごころ
の君』が病になり、あちこちで、暗黒の世界が
拡がり始めたため『アトレーヌ』という少年が
『幸いの竜フッフール』と、原因を究きとめる
旅に出るというもの。
苦難の旅の末に、その原因が、子供達が、本の
世界に入ってくれなくなったためで、解決には
子供が物語の中で、女王に新しい名前を付ける
ことだったのです。
バスチアンが、夢中で読んでいると、不思議な
ことが起こりました。
なんと、幼ごころの君が、話かけてきたので、
『月の子モンデンキント』という新しい名前を
つけると、次の瞬間バスチアンは、物語の中に
飛び込んでいたのです。
女王はそのお礼に『アウリン』という首飾りを
渡すと、バスチアンの望みは、すべて叶って、
アトレーユ達と友達になり、往く先々の村人達
から称賛されて、尊大な心になってゆきます。
『もっと強く』『馬鹿にされたくない』という
望みを叶えるために、自分を見失ってしまい、
彼の周りは、アウリンの力を悪用しようと企む
輩が集まり、忠告するアトレーヌ達を遠ざけて
終いには、刺してしまいます。
バスチアンは、孤立してしまい、このままでは
いけないと、本来の自分に戻る決意をします。
先々で出逢った人達のお陰で、生まれ変わり、
自分にとって大切なのは、お父さんだったと、
気づくのでした。
アトレーユ達にも助けてもらい、人間の世界に
帰ることができて、お父さんに、物語のことを
話して、ようやく打ち解けて、仲良く暮らして
いくのでした。
図書館の児童コーナーにあったハードカバーは
主人公が、手にした本に、似せていました…😁
還暦過ぎが、借りるのは抵抗がありましたが、
読後は、大人も読んだ方がよいと思いました。
『人の心』は、移ろうもの。
望みがどんどん叶ってくると、心に潜んでいた
邪な欲望や、嫉妬が顕われて『本来の自分』を
見失いかねない『脆さ』は、子供ならずとも、
大人も、戒めないといけませんよね。
本日は、この辺で。