『告白』を読んで!

虚しい復讐に、歪んだ承認欲求、偏った正義、重たい物語!

 

湊かなえ』さんの『告白』を読みました。

ネタバレしますが、冒頭を少し紹介しますと…



中学教師の『森口悠子』は、HIVに感染した

婚約者と別れ、感染を免れた4歳の『愛美』と

2人暮らし。

 

いつも保育所に迎えに行って、愛美を預かって

くれていた『竹中さん』が、入院してしまった

ので、やむ終えず残業がある日は、保健室で、

愛美を待たせていた。

 

そんなある日、愛美がプールに浮かんでいた。

愛美が、プールの裏手の竹中さんの飼い犬に、

ご飯をあげる姿が目撃されていたので、警察は

『事故死』として、捜査を終了していた。

 

終業式の日、森口はクラスの生徒達に、愛美は

事故ではなく、クラスの少年A『渡辺修哉』と

少年B『下村直樹』に殺されたと『告白』し、

別れた婚約者の血液を少年達の牛乳に混入して

HIV感染の恐怖に陥れ、退職をするのです。


果たして、2人の少年や、ほかのクラスメイト

そして、その家族のその後の展開は如何に…。



読み終えて、ずっしりと重たく、感じました。

登場人物それぞれの視点から、云えそうなこと

を列記すると…。

 

教師と云えども母、愛娘を奪われた『恨み』は

想像に難くないけど『復讐は、虚しいだけ…』

 

少年Aは、自分を捨てた『母』に認めてもらい

たい『承認欲求』だけだったのに、罪を犯して

しまうという『家庭の問題が、浮き彫りに…』

 

クラスメイトは『偏った正義』の下に、少年を

攻めていきますが、『公正に裁くことができる

のは、法律の下でのみ…』

 

ますます陰湿になってきている『いじめ』や、

『ひきこもり』への『ケア』など、いろいろと

考えさせられた物語でした。

 

            本日は、この辺で。