背中を押してくれた恩師達に感謝!
前回は、大学で始めたフェンシングに纏わる話
でした。今回は大学で学んだことや、就職先を
決めた人生の転機についての話です。
入学した1年目は一般教養が殆どでした。
法学や心理学は、話が難しく、あまり理解でき
ませんでした。英文学は、教授のイギリス滞在
のスライド紹介が多く、面白くなかった。
地学は、大陸移動説を愉しみにしていたのに、
さらっと流され恐竜の話ばかりで残念でした。
でも、哲学は単なる思想だけではなく、板書に
書かれたラテン語が英語やフランス語、ドイツ
語の語源であることを教えてくれたり、論理学
いわゆる”1”と”0”の論理式まで教えてもらい
後々、会社での仕事で、とても役立ちました。
2年目以降は専門講座となり、工学の一般的な
知識をベースに、材料の電気的、光学的、磁性
的、塑性学的な性質を調べて、その材料が活か
せる応用分野を創造するという『視点を変えて
物を観る』大切さを学びました。
4年になると4つの講座に分かれ、より専門性
が高い教育を受けながら、卒論テーマの研究を
始めました。
私の卒論テーマは、ある材料に強い磁力を与え
電気的性質の変化を調べる研究でした。
初めて旋盤を回して真鍮製の治具を作り、コイ
ル導線を何重にも巻いて、水冷式の磁力発生装
置を製作しました。
幼い頃から作ることが好きだったので、時間を
忘れて製作を愉しみました。
長い夏休みが終わり、実験を始めようとした矢
先に、講座の助教授から『実験もしていないし
講座にも来ていない』と叱られました。
内心ムッとしたのですが、それからは意を決し
て、助教授よりも早く講座に来て、帰宅される
まで講座にいて、実験を繰り返しました。
卒業祝いの呑み会で、『よく頑張ったね』と云
われたので、種を明かしました。
その後、結婚式の来賓挨拶で、助教授から
『たきつけられると、発奮する』と、私の正体
を暴露されてしまいました(^^;)
就職は、地元の企業を考えていましたが、教授
に呼ばれ、某大企業を勧められました。
その方は、ある大企業の研究所から大学に来ら
れ、権威的な専門性は勿論ですが、貴高さの中
に優しさが滲み出ている素晴らしい方でした。
大企業で通じる実力とは到底思えないし、歯車
になって擦りきれてしまいたくない、両親の面
倒をみるので、地元企業に就職したいと話しま
したが、
『あの企業は将来性がある、大きな企業で働く
と、多くのメーカーから情報が入ってきて、幅
広い大きな仕事ができる』と、3回 のべ5時間
に渉り、とうとうと説いてくれました。
親を説得し、関東に就職。35年経った今
『たきつけられて、発奮』し、『幅広い大きな
仕事』ができた実感があります。
もし、その助教授、教授の方々に巡り逢えなか
ったらどうなっていたことか…。
まさに、
人生の転機、あの時があったから今がある。
本日は、この辺で。