噺家の巧さと聴き手の想像力で世界が広がっていく!
皆さんは落語が好きですか?
若い頃は落語というと、せいぜい『笑点』を観
る程度で、学生時代に落語好きな友達がいて、
呑むとよく落語の話をしていましたが、感化さ
れませんでした。
それが2007年秋から始まった、NHK連続
テレビ小説『ちりとてちん』を観てからは、
すっかり落語好きになっていました。
脚本は今注目の『カムカムエヴリバディ』の
祖父は若狭塗り箸職人を演じる米倉斉加年さん
祖母は元芸者で孫思いの江波杏子さん、父は、
『カムカム…』で伴虚無蔵役を演じている松重
豊さん、そして明るくて、おもろいお母ちゃん
役の和久井映見さん、やがて落語の師匠となる
悲観的で、劣等感の虜になっている主人公が、
女流落語家に成長していくドラマです。
連続テレビ小説『ちりとてちん』 | NHK放送史(動画・記事)
序盤は福井県小浜市での温かくて愉しい家庭が
描かれていて、中盤以降はそれに加えて大阪で
の明るくけったいな落語家の暮らしが展開され
ます。
話の所々に落語を模したシーンが出てくるので
TDL/TDSの『隠れミッキー』を探すような
愉しみもあって、とうとうDVDを買って繰り
返し愉しんでいます(^0^)
徒然亭一番弟子の草原を演じた桂吉弥さんは、
本物の落語家で、落語に出てくる登場人物を演
じ分け、人間らしさ、人間臭さが巧く表現され
ていて、自ずと笑いがこみ上げてきます。
石川県にいた頃、金沢県立音楽堂で桂吉弥さん
の落語を聴きに行きました。
落語は、噺家の巧さと聴き手の想像力で世界が
広がっていくものなので、聴き手の想像力が乏
しいと面白みを感じませんし、古典落語は現在
と情景や人物像がかなり違ってきているため、
落語離れが懸念されます。
そんなこともあってか2016年に落語を映像
化した『落語THE MOVIE』という番組が
放映されました。
落語家の語りに、俳優が演技する映像を重ね合
わせた『観る落語』でした。
面白くて毎回観ましたが、あらためて噺家の声
色の使い分けの巧さを感じました。
とくに感心したのは、柳家喬太郎さんの『井戸
の茶碗』です。
超入門!落語 the movie 井戸の茶碗 - Bing video
登場人物がみせる表情と、喬太郎さんの発する
声色が絶妙に合っていて、声の使い分けも見事
です。ところどころに人情じみた可笑しさがあ
って、落ちも最高でした。
なので、神奈川県にいた頃、横浜関内ホールに
行って柳家喬太郎さんの落語を愉しみました。
それから、東京演芸劇場で2回落語を聴きに行
きました。
しばらく生の落語を聴けていないので、いつか
新作落語などを聴いてみたいと思っています。
本日は、この辺で。