いつの世も、どんな智慧者も、『バランス感覚』が必要!
今朝はこの冬一番の寒さで、氷点下11℃まで
冷え込みました。
寝室の窓を開けると、ピリッとした冷気が肌を
刺激して、言葉には表わしにくいのですが、
『冬の匂い』がしました。
先週、怪我をしてしまったので、いつもの散歩
をお休みにして、『諸葛孔明』下巻を一気に、
読みました。
上巻に続いて、主な登場人物や、できごとが、
どこで起こったかを当時の地図に、示しながら
読み進めました。
下巻は、208年の『赤壁の戦い』から、三国
時代を経て、『孔明』達が築き上げた『蜀』の
国が『魏』に降伏する263年までが、描かれ
ていました。
『孔明』が目指そうとした『天下三分の計』。
いずれの王朝が強すぎても、弱すぎても、泰平
の世にはならない。
そんな三国時代の幕開けとなった220年は、
没し、翌年に『張飛』が部下に殺害されます。
殺害した呉の『孫権』に復讐しようと、いきり
立って『夷陵の戦い』を起こしますが、大敗を
喫してしまいます。
を失っている『劉備』をなだめ、戦いを止める
ことができなかったのでしょうか?
『呉』に実兄の『諸葛謹』が属していたという
事情もありますが、『天下三分の計』のように
『強すぎてはならない』というのです。
『孔明』のように、王朝に仕えて、皇帝の次に
権力を持つ『参謀』が強くなりすぎると、王朝
を乗っ取られる心配をされてしまう。
逆に、弱くなりすぎれば、切り捨てられる怖れ
があるので、強すぎても、弱すぎてもいけない
と云うのです。
現世にも『出る杭は打たれる』ということわざ
その『バランス感覚』が必要だったということ
でしょうね。
上巻を読んだ時にも感じたのですが、この小説
は、史実通りに並べられて、あっさりしている
のですが、時代背景や、各武将や領民の想いが
丁寧に描かれているということ。
作者『陳 舜臣』さんの『あとがき』には、
『史上の英雄』を小説に書こうとすれば、
誇大化か矮小化のいずれかに陥りやすい。
できるだけ、実像に近いものをさぐり出す
には、史料の丹念な吟味が必要…
とあり、『史実に忠実に』という作者の想いが
伝わってきました。
そして、今から1800年も前の出来事を深く
知ることができた気がします。
それにしても、『孔明』が亡くなった5年後に
送ったというのですから、日本の歴史の浅さと
中国4000年の歴史の深さを感じますね。
本日は、この辺で。