人生の転機、あの時があったから今がある (その9)

結婚はタイミングが大事!機会を逃さないように!

 

前回は、高校時代の想い出を振り返りました。

高校を卒業し、妻は看護学生として、私は大学

生となり、それぞれの生活が始まりました。

250キロの距離を繋いだのは、公衆電話での

わずかな時間と、ときどき交わす手紙でした。

 

それでも何回かは、妻がお金を貯めて、逢いに

来てくれました。

初めての手料理を味わい、晴れ渡った波打ち際

を裸足で歩いたり、砂浜に座って話をしたり、

愉しいひとときを過ごしました。

 

ある時、大学の試験が近づいた日のこと。

試験勉強をしている間、妻は編み物をしていま

した。そのうち私は眠くなり、ぐっすり眠って

しまいました。目を覚ますと、テーブルの上に

美味しそうなうどんが…。

私のために、夜食にうどんを作ってくれていた

のです。すっかり冷めてしまったうどん、勉強

疲れの私のことを想い、起こさないで待ってい

てくれました。さりげない優しさに目頭が熱く

なりました。

 

それから1年経ち、私達が泊まりがけで逢って

いることを妻の両親が気づいてしまい、交際を

反対されてしまいました。

とても悩みましたが、2人でよく考えた末に、

妻の両親に会いに行き、3年間逢わない、3年

経ってお互いの気持ちが変わらなければ、交際

を認めてほしいという約束をしました。

それから3年、2人を繋いだのは手紙だけ。

3年の間に一度だけ、秋祭りで偶然に出逢いま

したが、お互い目を合わせただけで、通り過ぎ

ていきました。

 

あと半年で3年目となる春に、私は大学を卒業

して、関東に就職しました。

妻は看護学生の頃から、ツアーコンダクターに

なりたいと思うようになり、英語を勉強しなが

ら、看護師として1年間働いて貯めたお金で、

オーストラリアに留学をしました。

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その1年後、帰国した妻との待ちに待った再会

しかし、妻はなぜか変わって観えました。

それは、小麦色に焼けた肌、着ている服だけで

はなく、瞳の奥に凜とした自信を感じました。

たった1年の外国暮らしでしたが、カルチャー

ショックを受けて、変わっていたのです。

一方の私はというと、まだよちよち歩きの社会

人2年生で、たいして変わり映えしない自分。

すぐ隣にいるはずの妻がまるでオーストラリア

と日本の距離のように遠く感じました。

 

数ヶ月経って、妻の気持ちがだんだんと落ち着

いてきて、それとともに2人の間の距離が急に

縮まってきました。

 

翌年、さみだれがしとしと降りそそぐ朝、寮の

窓から外を観ていて、ふと『結婚しよう』と。

2人の想い出の公園で婚約指輪を渡しました。

そして、1年後の夏の暑い日に結婚を。

 

出逢ってから10年の月日が流れていました。

この10年、決して順風満帆ではなく紆余曲折

があったからこそ、辿り着いた幸せ。

結婚はタイミングが大事、どんなに強く惹き合

っていても、ほんの少しタイミングがずれるだ

けで一生に一度の機会を逃してしまうものだと

強く感じます。

 

いつも隣にいてくれたから、今の自分がある。

人生の転機、あの時があったから今がある。

 

            本日は、この辺で。